テレワークを導入したのはいいけれど、「社員がちゃんと働いているか分からない」「残業時間が把握できない」「打刻の手間が増えた」など、勤怠管理に課題を感じている企業は多いのではないでしょうか。
テレワークの勤怠管理は、従来のタイムカードや出退勤表では対応できません。クラウド型の勤怠管理ツールを導入することで、場所を問わない正確な労働時間管理が可能になります。
この記事では、テレワークに対応した勤怠管理ツールの選び方と、主要サービスの比較を紹介します。ツールごとの機能差や料金体系、導入のしやすさなどを詳しく解説するので、自社に合ったツールが見つかるはずです。

テレワークの勤怠管理で起きやすい問題
労働時間の正確な把握が難しい
オフィスならタイムカードで一目瞭然ですが、テレワークでは始業・終業の境界が曖昧になります。厚生労働省のガイドラインでも、テレワーク時の労働時間管理は使用者の義務と明記されており、適切な管理方法の導入が求められています。
隠れ残業・長時間労働の発見が遅れる
「ちょっとだけ」のつもりが毎日1〜2時間の残業になり、気づかないうちに過重労働になるケースがあります。勤怠管理ツールがあれば、リアルタイムで残業時間を把握し、アラートを出すことが可能です。
不正打刻のリスク
自己申告制だと、実際の勤務時間と申告のズレが生じる可能性があります。GPS打刻やPCログとの突合ができるツールを導入すれば、このリスクを低減できます。
給与計算との連携が煩雑
Excelで勤怠管理をしていると、給与計算への転記ミスが発生しやすくなります。勤怠管理ツールと給与計算ソフトを連携させれば、この手間とリスクを大幅に削減できます。
- テレワークでも労働時間の管理は使用者の義務
- 自己申告制だけでは不正打刻やサービス残業を見逃すリスクがある
- 36協定の時間外労働上限を超えないようリアルタイム管理が必要
- フレックスタイム制やみなし労働時間制を併用する場合は制度設計に注意
テレワーク向け勤怠管理ツールの選び方
打刻方法の柔軟さ
PCブラウザ打刻、スマホアプリ打刻、Slack/Teams連携打刻、GPS打刻など、社員がストレスなく打刻できる方法が用意されているか確認しましょう。打刻の手間が少ないほど、正確な勤怠データが集まります。
テレワーク勤務の区分管理
「出社」「テレワーク」「出張」など、勤務形態ごとに区分管理できるツールを選びましょう。ハイブリッド勤務を導入している企業にとっては、出社率の集計やオフィスの座席管理にも活用できます。
残業アラート・36協定管理
残業時間が一定の閾値を超えたときに自動でアラートを出す機能は、テレワーク環境では特に重要です。36協定で定めた上限時間を超えそうな社員をリアルタイムで把握できます。
他システムとの連携
給与計算ソフト(freee、マネーフォワード等)、チャットツール(Slack、Teams)、人事労務システムとの連携ができるかどうかも重要な選定ポイントです。

テレワーク向け勤怠管理ツールの比較
| サービス名 | 月額料金(1人) | 無料プラン | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| KING OF TIME | 300円 | 30日間無料 | 打刻方法が20種類以上、市場シェアNo.1 |
| ジョブカン勤怠管理 | 200〜500円 | あり(10人まで) | 機能を選んで組み合わせ可能、低コスト |
| freee勤怠管理Plus | 300円 | なし | freee人事労務との完全連携 |
| マネーフォワード クラウド勤怠 | 300円〜 | 1ヶ月無料 | マネーフォワードシリーズとの統合 |
| HRMOS勤怠 | 100円〜 | あり(30人まで) | 低コスト、中小企業向け |
| TeamSpirit | 600円 | 30日間無料 | 勤怠+工数管理+経費精算の統合型 |
各ツールの詳細解説
KING OF TIME
勤怠管理ツールの市場シェアNo.1で、導入実績は5万社以上。打刻方法がPC、スマホ、ICカード、指紋認証、顔認証など20種類以上と圧倒的に豊富です。テレワーク・フレックス・シフト制など多様な勤務形態に対応しており、残業アラートや有給管理も充実しています。KING OF TIME公式サイトで詳細を確認できます。
ジョブカン勤怠管理
シリーズ累計25万社以上の導入実績を持つクラウド勤怠管理ツール。「出勤管理」「シフト管理」「休暇管理」「工数管理」の4つの機能を必要なものだけ選んで組み合わせられるのが特徴です。10人まで無料で使えるので、スモールスタートにぴったりです。
freee勤怠管理Plus
freeeの人事労務サービスとシームレスに連携するのが最大の強みです。勤怠データがそのまま給与計算・年末調整に流れるため、転記ミスが発生しません。すでにfreeeを使っている企業なら導入が非常にスムーズです。
マネーフォワード クラウド勤怠
マネーフォワードの会計・給与・経費などのサービスと統合利用できます。Slack・LINE WORKS連携での打刻にも対応しており、チャットツールから手軽に勤怠管理ができます。
HRMOS勤怠
月額100円〜という低価格が魅力。30人までは無料で利用でき、基本的な勤怠管理機能はしっかりカバーしています。予算を抑えたい中小企業やスタートアップにおすすめです。
TeamSpirit
勤怠管理に加えて、工数管理と経費精算が統合されたオールインワン型。Salesforceプラットフォーム上で動作するため、Salesforceとの連携が強力です。プロジェクト単位での工数管理が必要なIT企業やコンサル会社に向いています。

企業規模別のおすすめ
従業員10人以下のスモールチーム
- HRMOS勤怠(30人まで無料)またはジョブカン(10人まで無料)がおすすめ
- まずは無料プランで運用し、人数が増えたら有料プランに移行
- シンプルな機能で十分な場合が多い
従業員10〜100人の中小企業
- KING OF TIMEまたはジョブカンが定番
- freee・マネーフォワードを使っている場合は同シリーズで統一
- 残業アラートや有給管理機能は必須
従業員100人以上の大企業
- KING OF TIMEまたはTeamSpiritが実績豊富
- 複雑な勤務形態(フレックス、裁量労働、シフト制の混在)への対応力が重要
- 人事システム・給与システムとのAPI連携を確認
勤怠管理ツール導入の進め方
ステップ1:自社の勤務制度を整理する
まず現在の勤務制度(固定時間制、フレックス、裁量労働制など)と課題を整理します。テレワーク導入に伴って勤務制度を変更する場合は、就業規則の改定も必要です。
ステップ2:必要な機能をリストアップする
打刻方法、残業管理、有給管理、シフト管理、工数管理、給与計算連携など、自社に必要な機能を洗い出します。「あれもこれも」と機能を盛り込みすぎると、社員が使いこなせなくなるので注意です。
ステップ3:無料トライアルで比較する
候補を2〜3つに絞り、無料トライアルで実際に使い勝手を確認しましょう。IT部門だけでなく、現場の社員にも使ってもらい、打刻のしやすさや画面の分かりやすさを評価してもらうのが重要です。
ステップ4:導入・運用ルールの周知
ツールを導入したら、打刻のルール(いつ・どこで・どうやって打刻するか)を全社員に周知します。マニュアルの配布と、初回の操作研修を実施しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. Excelの出退勤表ではダメですか?
A. 少人数であれば運用可能ですが、リアルタイムでの残業把握や不正打刻の防止、給与計算との連携ができないため、テレワーク環境には向いていません。人数が10人を超えたらクラウド勤怠ツールの導入をおすすめします。
Q. GPSで社員の位置情報を追跡するのはプライバシーの問題になりませんか?
A. GPS打刻は「打刻時の位置情報を記録する」もので、常時追跡するものではありません。ただし、導入前に社員への説明と同意を得ることが重要です。プライバシーポリシーにも位置情報の取り扱いを明記しましょう。
Q. テレワーク中の中抜け(私用の外出)はどう管理しますか?
A. 中抜けを認める場合は、「中抜け開始」「中抜け終了」の打刻機能があるツールを選びましょう。KING OF TIMEやジョブカンには中抜け管理機能が標準搭載されています。フレックスタイム制を併用すると、中抜けも柔軟に運用できます。
Q. 勤怠管理ツールの導入コストを抑えるには?
A. まず無料プラン(HRMOS勤怠30人まで、ジョブカン10人まで)を活用しましょう。また、IT導入補助金を活用すれば導入費用の一部を補助してもらえる場合があります。
Q. 打刻忘れが多い場合はどうすればいいですか?
A. Slack・Teams連携の打刻やスマホ通知のリマインド機能を活用しましょう。PCのログオン・ログオフを自動で打刻する機能があるツールもあります。「打刻しないと次の操作ができない」仕組みにするのも効果的です。
Q. フレックスタイム制との併用は可能ですか?
A. 主要な勤怠管理ツールはすべてフレックスタイム制に対応しています。コアタイムの設定、月間の所定労働時間の管理、清算期間ごとの残業計算なども自動で行えます。
まとめ:テレワークの勤怠管理は「ツールに任せる」が正解
- テレワークの勤怠管理はクラウドツールで「見える化」するのが基本
- 打刻のしやすさ、残業アラート、給与計算連携を重視して選ぶ
- KING OF TIME・ジョブカンが定番、freee/マネフォ利用企業は同シリーズ推奨
- 10人以下ならHRMOS勤怠の無料プランからスタート可能
- 導入時は現場の社員にトライアルで試してもらうことが重要
- 打刻ルールの周知と操作研修を忘れずに
テレワークの勤怠管理は、ツールを導入すれば驚くほどスムーズになります。社員にとっては打刻の手間が減り、管理者にとっては労働時間がリアルタイムで把握できる。お互いにとってメリットが大きいので、まだExcelや紙で管理している企業はぜひ検討してみてください。


