テレワーク中にWeb会議が途切れたり、ファイルのアップロードが遅くてイライラした経験はないだろうか。在宅勤務の生産性を左右するのは、デスクや椅子だけではない。通信環境こそがテレワークの土台であり、Wi-Fiルーターの選び方ひとつで仕事の快適さが大きく変わる。
この記事では、テレワークに適したWi-Fiルーターの選び方から、通信規格の違い、設置のコツまでまとめて解説する。自宅のネット環境を見直したい方は、ぜひ参考にしてほしい。

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テレワークでWi-Fiルーターが重要な理由
オフィスに出社していたころは、会社が用意した安定した回線を当たり前のように使っていた。しかし在宅勤務では、自宅の通信環境がそのまま仕事のパフォーマンスに直結する。
Web会議(Zoom・Google Meet・Microsoft Teamsなど)では、安定した上り・下りの速度が求められる。Zoomのグループ通話では上下とも3Mbps以上が推奨されており、画面共有を行う場合はさらに帯域が必要になる。古いルーターや通信規格の低いモデルでは、家族が同時にネットを使うだけで帯域が圧迫され、映像が止まったり音声が途切れたりする。
また、VPN接続を利用して社内ネットワークにアクセスする場合、暗号化処理の分だけ通信のオーバーヘッドが増える。ルーターの処理能力が低いと、VPN経由のファイルダウンロードや社内システムへのアクセスが極端に遅くなることがある。
- Web会議には安定した上下3Mbps以上の通信が必要
- VPN利用時はルーターの処理能力が速度に影響する
- 家族の同時接続が増えるほど、ルーター性能の差が出やすい
Wi-Fi通信規格の違いを知ろう
Wi-Fiルーターを選ぶ前に、通信規格の違いを把握しておくことが大切だ。現在市場に出回っている主な規格は以下のとおり。
Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)
多くのデバイスが対応している現行の主流規格。複数台の同時接続に強いのが特徴で、OFDMA技術により効率的にデータを分配できる。テレワーク用途であれば十分な性能を持つ。
Wi-Fi 6E(IEEE 802.11ax拡張)
Wi-Fi 6の拡張版で、6GHz帯を追加で利用できる。6GHz帯は他の機器との干渉が少なく、特にマンションなど集合住宅での混雑回避に効果的だ。NECのAterm WX5400T6シリーズなどが対応している。
Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)
記事執筆時点で最新の規格。最大通信速度がWi-Fi 6の約4.8倍に向上し、MLO(マルチリンクオペレーション)により複数の周波数帯を同時に使える。BUFFALOのWSR3600BE4Pは手頃な価格で手に入るWi-Fi 7対応モデルとして注目されている。TP-LinkのArcher BE3600やArcher BE220もコストパフォーマンスに優れる。

テレワーク用Wi-Fiルーターの選び方 5つのポイント
1. 通信規格はWi-Fi 6以上を選ぶ
テレワークではWeb会議、VPN接続、クラウドストレージへのアクセスなど、同時に複数の通信が発生する。Wi-Fi 5以前のモデルでは同時接続時にパフォーマンスが落ちやすいため、最低でもWi-Fi 6対応のモデルを選ぶのが望ましい。
2. アンテナ本数と同時接続台数を確認する
自分のPC以外にも、スマホ・タブレット・スマートスピーカー・IoT家電など、家庭内の接続台数は想像以上に多い。テレワーク中に家族もネットを使う場合は、同時接続台数の上限が30台以上のモデルを選ぶと安心だ。アンテナ本数が多いほど同時通信の安定性が増す。
3. ビームフォーミング対応かどうか
ビームフォーミングとは、接続しているデバイスの位置を検知し、そちらに向けて電波を集中させる技術だ。ルーターから離れた部屋で作業する場合でも、電波の届きやすさが改善される。テレワークの作業部屋がルーターから離れている場合に特に効果がある。
4. 有線LANポートの数とギガビット対応
安定性を最優先にするなら、デスクトップPCは有線接続がベストだ。ルーターに1Gbps以上の有線LANポートが複数あるモデルなら、PCとNASを同時に有線接続できる。Wi-Fi 7対応モデルでは2.5Gbpsポートを搭載しているものもある。
5. セキュリティ機能を確認する
テレワークでは業務データを扱うため、セキュリティも重要だ。WPA3に対応しているモデルを選ぶこと。また、ゲストネットワーク機能があれば、業務用と家族用のネットワークを分離できる。ネットワーク分離は情報漏洩リスクを下げる基本対策として推奨されている。
会社からセキュリティポリシーが指定されている場合は、そちらの要件を優先すること。特にVPN接続が必須の環境では、ルーターのVPNパススルー機能の有無を事前に確認しておこう。
テレワーク向けWi-Fiルーターのおすすめモデル
ここでは、テレワーク用途に適したWi-Fiルーターをタイプ別に紹介する。価格は記事執筆時点の情報であり、最新の価格は各メーカーの公式サイトや家電量販店で確認してほしい。
コスパ重視:TP-Link Archer BE220
Wi-Fi 7に対応しながら手頃な価格で購入できるエントリーモデル。1Gbpsの有線LANポートを搭載しており、テレワークに必要な性能は十分に確保されている。一人暮らしや少人数世帯におすすめだ。最新の価格はTP-Link公式サイトで確認できる。
バランス型:BUFFALO WSR3600BE4P
Wi-Fi 7対応でコストパフォーマンスに優れたモデル。BUFFALOは国内メーカーならではのサポート体制が安心材料だ。2〜3LDK程度の住居に適している。
広い家向け:NEC Aterm WX5400T6
Wi-Fi 6Eに対応したトライバンドモデル。6GHz帯が使えるため、マンションなど電波が混雑しやすい環境でも安定した通信が期待できる。NECはBCNアワードでモバイルWi-Fiルーター部門の国内シェアで高い実績を持つメーカーだ。
ハイエンド:TP-Link Archer BE550
Wi-Fi 7対応のトライバンドモデルで、大容量のデータ転送や4K映像配信を同時に行うような負荷の高い使い方にも対応できる。ホームオフィスを本格的に構築したい方向けだ。

Wi-Fiルーターの設置場所と通信を安定させるコツ
良いルーターを買っても、設置場所が悪ければ性能を発揮できない。以下のポイントを押さえて、通信環境を最適化しよう。
設置場所の基本
- 床に直置きせず、高さ1〜2mの棚や台の上に設置する
- 壁際ではなく、部屋の中央寄りに置くと電波が均等に広がる
- 電子レンジやBluetooth機器の近くは避ける(2.4GHz帯と干渉するため)
- 水槽や金属製の棚の近くも電波を遮るので避ける
中継機やメッシュWi-Fiの活用
ルーターから作業部屋が離れている場合は、Wi-Fi中継機やメッシュWi-Fiシステムの導入を検討しよう。メッシュWi-Fiは複数のアクセスポイントが連携して家全体をカバーするため、部屋を移動しても途切れにくい。テレワーク中のWeb会議で映像が途切れる原因が電波の弱さにある場合、メッシュWi-Fiの導入で改善するケースは多い。
有線接続の併用
Web会議の安定性を最優先にするなら、PCはLANケーブルでルーターに直結するのが確実だ。無線よりも遅延が少なく、帯域も安定する。デスクまでケーブルを引くのが難しい場合は、カテゴリ6A以上のフラットLANケーブルを壁沿いに這わせる方法もある。
テレワークで起こりがちなWi-Fiトラブルと対処法
会議中に映像が止まる
帯域不足が原因のことが多い。他の家族が動画配信サービスを視聴していたり、大容量ファイルをダウンロードしていると、帯域が圧迫される。QoS(Quality of Service)機能を持つルーターであれば、Web会議の通信を優先させる設定が可能だ。
特定の部屋で電波が弱い
ルーターとの間に壁や床がある場合は電波が減衰する。5GHz帯は速度が速い反面、障害物に弱い特性がある。電波の届きにくい部屋では2.4GHz帯に切り替えるか、中継機を設置するとよい。
接続が頻繁に切れる
ルーターのファームウェアが古い場合に発生しやすい。メーカーの公式サイトからファームウェアの更新を確認し、最新バージョンにアップデートしよう。また、ルーターの再起動を週に1回行うだけでも安定性が改善することがある。

モバイルWi-Fiという選択肢もある
自宅に光回線を引いていない場合や、外出先でもテレワークを行う場合は、モバイルWi-Fi(ポケット型Wi-Fi)も選択肢に入る。WiMAXやクラウドSIMタイプのモバイルWi-Fiは、工事不要で届いた日から使えるのがメリットだ。
ただし、モバイルWi-Fiは固定回線に比べると通信の安定性で劣る場面がある。Web会議を頻繁に行うなら、固定回線+Wi-Fiルーターの組み合わせが安心だ。モバイルWi-Fiはあくまでサブ回線や外出時のバックアップとして活用するのがおすすめだ。
よくある質問(Q&A)
Q. テレワーク用ルーターの予算はどのくらいが目安?
Wi-Fi 6対応モデルなら5,000〜8,000円程度から購入でき、Wi-Fi 7対応のエントリーモデルも1万円前後で手に入る。テレワーク用途であれば1万円前後のモデルで十分な場合が多い。価格はメーカーや販売店によって変動するため、購入時に最新の価格を確認することをおすすめする。
Q. マンションでWi-Fiが遅いのはルーターのせい?
マンションでは近隣の住戸からの電波干渉が原因で速度が落ちることがある。6GHz帯に対応したWi-Fi 6EやWi-Fi 7のルーターに変更すると、干渉の少ない周波数帯を使えるため改善が期待できる。
Q. ルーターを買い替えたら速度は上がる?
ルーターだけでなく、契約している回線プラン自体がボトルネックになっている場合もある。回線速度をスピードテストサイト(Speedtest by Ooklaなど)で確認し、回線側の速度が十分かどうかもチェックしよう。
まとめ
テレワークの通信環境は、仕事の効率と直結する。Wi-Fiルーターの選び方のポイントをおさらいすると、以下のとおりだ。
- 通信規格はWi-Fi 6以上を選ぶ
- 同時接続台数に余裕のあるモデルを選ぶ
- WPA3対応でセキュリティを確保する
- 設置場所を最適化して電波を有効活用する
- 安定性重視なら有線接続を併用する
快適なテレワーク環境を整えるために、まずは自宅のルーターを見直してみてはいかがだろうか。各メーカーの公式サイト(BUFFALO公式、TP-Link公式)で最新のラインナップと価格を確認できる。
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