海外でリモートワークをしながら長期滞在したい人にとって、「デジタルノマドビザ」は心強い制度です。通常の観光ビザでは90日程度しか滞在できませんが、デジタルノマドビザを取得すれば1年〜2年の長期滞在が可能になる国も増えています。
記事執筆時点で、デジタルノマドビザを導入している国は世界で50カ国以上にのぼります。この記事では、主要なデジタルノマドビザ発行国の条件・滞在期間・費用を一覧で比較し、自分に合った渡航先を見つけるためのガイドをお届けします。

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デジタルノマドビザとは?
デジタルノマドビザとは、外国企業に雇用されている人やフリーランスとして海外のクライアントと仕事をしている人が、その国に長期滞在しながらリモートワークを行うことを認める査証(ビザ)です。
通常、その国の企業で働くには就労ビザが必要ですが、デジタルノマドビザは現地企業への就職を前提としていないのが特徴です。滞在国以外の企業やクライアントからの収入で生活することを条件に、長期滞在を認めるという仕組みになっています。
デジタルノマドビザ発行国の一覧と条件比較
以下に主要なデジタルノマドビザ発行国の条件をまとめました。最新の情報は各国の大使館や公式サイトで確認することをおすすめします。
ヨーロッパのデジタルノマドビザ発行国
ポルトガル
ポルトガルのデジタルノマドビザは、ヨーロッパの中でも人気が高い選択肢です。滞在期間は1年(更新可能)で、月収条件は約3,680ユーロ以上(最低賃金の4倍)とされています。リスボンやポルトにはノマドコミュニティが活発に存在し、生活費もヨーロッパの中では比較的抑えられます。
エストニア
エストニアは世界で初めてデジタルノマドビザを制度化した国の一つです。滞在期間は最長1年で、月収条件は3,504ユーロ以上(税込・直近6ヶ月の平均)です。電子国民プログラム「e-Residency」と組み合わせることで、オンライン行政サービスをフル活用しながらの滞在が可能です。
スペイン
スペインのデジタルノマドビザは滞在期間1年(最長5年まで更新可能)で、月収条件は約2,849ユーロ以上(最低賃金の200%)です。バルセロナやマドリードなどの大都市だけでなく、カナリア諸島なども人気の滞在先です。
クロアチア
クロアチアのデジタルノマドビザは滞在期間最長1年で、月収条件は約2,540ユーロ以上です。アドリア海沿岸の美しい景色と手頃な生活費が魅力で、ドブロブニクやスプリトなどが人気の滞在先です。

東南アジアのデジタルノマドビザ発行国
タイ(DTV: Destination Thailand Visa)
タイは「DTV(Destination Thailand Visa)」を導入しており、最長180日間の滞在が可能です。生活費が安く、バンコクやチェンマイにはコワーキングスペースが充実しているため、デジタルノマドビザの発行国の中でもコストパフォーマンスの高さで人気です。
インドネシア(バリ島)
インドネシアもデジタルノマド向けのビザ制度を整備しています。バリ島のウブドやチャングーは世界中のノマドワーカーが集まる聖地として知られ、コワーキングスペースやカフェが豊富です。
マレーシア(DE Rantau)
マレーシアの「DE Rantau」プログラムは、デジタルノマド向けの滞在許可制度です。クアラルンプールやペナンなど、インフラが整った都市で快適にリモートワークができます。
中南米・カリブのデジタルノマドビザ発行国
コスタリカ
コスタリカのデジタルノマドビザは滞在期間1年(1年延長可能)で、月収条件は約3,000ドル以上です。豊かな自然と安定した治安が魅力の国です。
バルバドス(Welcome Stamp)
カリブ海の島国バルバドスが提供する「Welcome Stamp」は、最長1年の滞在が可能です。月収条件は年収5万ドル以上と明記されています。ビーチリゾートで働きたい人には魅力的な選択肢です。
その他の注目国
ドバイ(UAE)
ドバイの「Virtual Working Programme」は、滞在期間1年で月収条件は約5,000ドル以上です。所得税がかからないという大きなメリットがありますが、生活費は高めです。
ジョージア
ジョージアの「Remotely from Georgia」プログラムは、月収条件が比較的低く(月2,000ドル以上)、生活費も安いため、予算を抑えたいノマドに人気があります。滞在期間は最長1年です。
デジタルノマドビザの選び方のポイント
- 月収条件:自分の収入レベルに合った国を選ぶ
- 滞在期間:短期(数ヶ月)か長期(1年以上)かで選択肢が変わる
- 生活費:東南アジアは安め、ヨーロッパ・中東は高め
- 税制:現地での所得税の有無を確認する
- 通信環境:Wi-Fiの速度や安定性を事前にチェック
- 治安:長期滞在するなら安全性は重要な要素
- ビザ取得の手間:オンライン申請の可否、必要書類の量

デジタルノマドビザの申請手順
デジタルノマドビザの申請は国によって異なりますが、一般的な流れは以下のとおりです。
1. 申請条件を確認する
まずは希望する国のデジタルノマドビザの条件(月収要件、保険加入、犯罪歴証明など)を公式サイトや大使館で確認します。条件を満たしていることを事前に確認してから準備を進めるのが効率的です。
2. 必要書類を準備する
一般的に必要な書類は、パスポート、収入証明書(銀行残高証明や給与明細)、医療保険の加入証明、滞在先の住所証明、犯罪歴証明書(無犯罪証明書)などです。書類の翻訳(英語や現地語への翻訳・アポスティーユ)が求められるケースもあるため、余裕を持って準備しましょう。
3. オンラインまたは大使館で申請する
多くの国ではオンライン申請に対応しており、日本にいながら手続きを進められます。審査期間は国によって異なりますが、2週間〜2ヶ月程度が一般的です。渡航の3ヶ月前には申請を開始することをおすすめします。
4. ビザ取得後の手続き
ビザを取得したら、航空券の手配、滞在先の確保、現地でのSIMカードやモバイル環境の準備を進めます。入国時にビザの提示が求められるため、印刷またはデジタルコピーをすぐ出せる状態にしておくと安心です。
デジタルノマドビザの申請で注意すべきこと
- ビザの条件は頻繁に変更されるため、申請前に各国大使館の公式情報を確認すること
- 観光ビザでのリモートワークはグレーゾーンまたは違法の国がある
- 現地の医療保険や海外旅行保険への加入が必須条件の国が多い
- 日本の税務上の居住者判定に注意(183日ルールなど)
デジタルノマドビザと税金の関係
デジタルノマドビザで海外に長期滞在する場合、税金の取り扱いは慎重に確認する必要があります。日本では原則として、年間183日以上海外に滞在すると税務上の「非居住者」として扱われる場合があります。
非居住者になると、日本国内で発生した所得に対してのみ課税され、海外で得た所得は日本での課税対象外となることがあります。一方、滞在先の国でデジタルノマドビザの保持者に対して所得税が課される場合もあるため、二重課税を避けるための確認が重要です。
ドバイのように所得税がゼロの国もあれば、スペインのように一定の課税が行われる国もあります。デジタルノマドビザを取得する前に、税理士や国際税務の専門家に相談することをおすすめします。各国の税制は変更されることがあるため、最新情報の確認も忘れずに行いましょう。
デジタルノマドビザに関するQ&A
Q. デジタルノマドビザがあれば現地で就職できる?
いいえ、できません。デジタルノマドビザはあくまでも滞在国以外の企業やクライアントから収入を得ることを前提とした制度です。現地企業に雇用される場合は、別途就労ビザが必要になります。
Q. 家族も一緒に滞在できる?
多くの国で家族の帯同が認められています。ただし、追加の月収条件が設けられたり、家族分のビザ申請料が別途必要になったりするケースがあるので、事前に確認しましょう。
Q. デジタルノマドビザの申請にかかる期間は?
国によって異なりますが、一般的に2週間〜2ヶ月程度です。書類の準備期間も含めると、渡航の3ヶ月前には準備を始めるのがおすすめです。
日本からのデジタルノマドビザ申請で人気の国
日本人デジタルノマドの間で特に人気が高いのは、タイ、ポルトガル、ジョージアの3カ国です。タイは時差が2時間と少なく日本のクライアントとの仕事がしやすいこと、生活費が安いこと、ノマドコミュニティが充実していることが理由です。ポルトガルはヨーロッパ拠点として他のEU諸国への移動が容易で、英語が通じやすい環境が魅力です。ジョージアは月収条件が比較的低めで、物価が安く食事がおいしいことが人気の理由として挙げられています。
まとめ|デジタルノマドビザで合法的に海外リモートワークを
デジタルノマドビザは、海外で合法的にリモートワークをしながら長期滞在するための制度で、発行国は年々増加しています。月収条件や滞在期間、税制などは国によって大きく異なるため、自分の収入レベルやライフスタイルに合った国を選ぶことが大切です。
ビザの条件は頻繁に更新されるため、申請前には各国の大使館や公式サイトで最新情報を確認してください。しっかりと準備を進めれば、海外でのリモートワーク生活は十分に実現可能です。

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