在宅勤務が増えて、ふと電気代の明細を見たら「こんなに上がってる!?」と驚いた経験はありませんか。エアコン、PC、照明、Wi-Fiルーター。在宅勤務をすると月額3,000円〜5,000円ほど電気代が増えると言われています。
「この費用は会社が負担すべきなのでは?」と考えるのは自然なことですが、実は法律上の明確な規定がない部分も多く、対応は企業によってバラバラなのが実情です。
この記事では、在宅勤務の電気代を会社に負担してもらえるのか、テレワーク手当の相場、そして会社への交渉方法まで詳しく解説します。

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在宅勤務で電気代はどのくらい増える?
まず、実際に在宅勤務でどのくらい電気代が増えるのかを見ていきましょう。
電気代の増加額の目安
在宅勤務による電気代の増加額は、季節や使用する機器によって変動しますが、月額3,000円〜5,000円の増加が一般的です。
- パソコン(デスクトップ):月約500〜800円
- ノートPC:月約200〜400円
- モニター:月約200〜400円
- 照明:月約300〜500円
- エアコン(冷房・暖房):月約1,500〜4,000円
エアコンが最も電気代に影響します。夏場と冬場は特に電気代が跳ね上がり、月額5,000円以上の増加になることも珍しくありません。
年間でいくらの負担になる?
月4,000円の増加だとすると、年間で約48,000円の自己負担になります。これは決して小さい金額ではありません。在宅勤務が恒常的に続くのであれば、会社への費用負担の相談を検討する価値があります。
電力会社のプランを見直すだけでも節約効果があります。在宅勤務で日中の電力使用量が増えた場合、従量制プランからの切り替えでお得になるケースもあるので、一度確認してみましょう。
法律上、会社は電気代を負担する義務がある?
結論から言うと、在宅勤務の電気代について、会社に負担義務を直接定めた法律はありません。
労働基準法の規定
労働基準法第89条では、「労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合は、就業規則に記載しなければならない」と定めています。つまり、在宅勤務で発生する費用を従業員に負担させる場合は、就業規則に明記する必要があるということです。
逆に言えば、就業規則に「在宅勤務にかかる費用は自己負担」と書かれていなければ、会社側に負担を求める余地があるとも解釈できます。
厚生労働省のガイドライン
厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」では、テレワークに伴う費用負担について、あらかじめ労使間で話し合い、就業規則等で定めておくことが望ましいとされています。
法的な義務ではないものの、国としても費用負担のルール化を推奨しているということです。

テレワーク手当(在宅勤務手当)の相場
テレワーク手当を導入している企業の相場を見ていきましょう。
支給額の相場
テレワーク手当の相場は月額3,000円〜5,000円です。これは在宅勤務で増加する光熱費・通信費の平均的な金額と概ね一致しています。
- 月額3,000円:最も多い支給額。光熱費の一部補填として設定
- 月額5,000円:通信費も含めた手当として設定する企業が多い
- 月額10,000円以上:大手企業やIT企業で見られる水準
支給方法
テレワーク手当の支給方法は大きく2つに分かれます。
- 定額支給型:毎月一定額を支給する方式。最も一般的で、経理処理もシンプル
- 実費精算型:実際にかかった費用を計算して支給する方式。正確だが、計算が複雑
実費精算の場合、国税庁が示した計算式(在宅勤務の電気代=1ヶ月の電気料金×業務使用割合)を用いるケースが多いです。業務使用割合は「在宅勤務日数÷月の日数×1/2」で算出されます。
課税・非課税の扱い
テレワーク手当が課税対象になるかどうかは、支給方法によって異なります。
- 定額支給の場合:原則として「給与」扱いとなり、所得税の課税対象になります
- 実費精算の場合:業務のために使用した通信費・電気料金は非課税として扱われます
定額支給のテレワーク手当は課税対象のため、手取りが満額にならない点に注意しましょう。月5,000円の手当でも、税金を差し引くと実質4,000円程度になります。
会社に電気代の負担を交渉する方法
テレワーク手当がまだ導入されていない会社に対して、どう交渉すれば良いかを解説します。
1. 実際の増加額を数字で示す
交渉の第一歩は、実際にどのくらい電気代が増えたかを数字で示すことです。在宅勤務前と後の電気代明細を比較し、増加額を具体的に提示しましょう。
2. 他社の事例を調べて提示する
同業他社や競合企業がテレワーク手当を導入している事例を調べて提示すると、説得力が増します。「同業のA社は月5,000円のテレワーク手当を支給している」といった具体例は効果的です。
3. 通勤手当の減額分を根拠にする
在宅勤務で通勤手当が減額されている場合、「通勤手当が減った分をテレワーク手当に充てられないか」という提案は合理的で受け入れられやすいです。
4. 個人ではなくチームや組合で提案する
個人で交渉するよりも、チームや労働組合を通じて提案する方が会社も対応しやすくなります。複数人で声を上げることで、制度化のきっかけになりやすいです。

在宅勤務の電気代を自分で節約する方法
会社からの手当に頼るだけでなく、自分でできる節約術も紹介します。
電力会社・プランの見直し
日中の電力使用量が増えた場合、電力会社やプランを見直すことで月数百円〜千円程度の節約になることがあります。比較サイトを使って、自分の使用パターンに合ったプランを探してみましょう。
エアコンの使い方を工夫する
- 設定温度は冷房28℃、暖房20℃を目安に
- フィルターは2週間に1回清掃する
- サーキュレーターを併用して空気を循環させる
- こまめなオン・オフよりも「つけっぱなし」の方が省エネになることも
PCの省電力設定
パソコンのディスプレイ輝度を下げたり、スリープまでの時間を短く設定するだけでも電力消費を抑えられます。デスクトップPCよりノートPCの方が消費電力が低いため、可能であればノートPCでの作業がおすすめです。

テレワーク手当の導入事例
すでにテレワーク手当を導入している企業の事例を紹介します。自社への提案の参考にしてみてください。
IT企業の事例
あるIT企業では、全社的にフルリモート勤務を導入した際に、通勤手当を廃止し、代わりに月額5,000円のテレワーク手当を支給しています。さらに、入社時にリモートワーク環境の整備費用として一時金50,000円を支給する制度も設けています。
メーカー系企業の事例
製造業のある企業では、在宅勤務日数に応じて1日あたり200円のテレワーク手当を支給しています。月20日在宅勤務すると月4,000円の手当になり、実際の電気代増加額とほぼ同等の金額をカバーできる設計です。
金融機関の事例
ある金融機関では、在宅勤務時の光熱費・通信費を実費精算する方式を採用しています。社員は月末に光熱費の按分計算書を提出し、業務使用分が非課税で精算される仕組みです。経理処理は煩雑になりますが、社員の実質負担がゼロになるメリットがあります。
在宅勤務の電気代に関するQ&A
Q. 電気代を確定申告で経費にできる?
会社員の場合、原則として電気代を確定申告で経費にすることはできません。ただし、「特定支出控除」の制度を使えば、一定条件のもとで控除が認められる場合があります。条件が厳しいため、適用できるケースは限られます。
Q. フリーランスの場合はどうなる?
フリーランスの場合は、自宅の電気代のうち業務に使用した割合を按分して経費計上できます。家事按分の割合は「使用面積」や「使用時間」で算出するのが一般的です。
Q. テレワーク手当は通勤手当の代わり?
企業によっては、在宅勤務が増えたことで通勤手当を廃止または減額し、代わりにテレワーク手当を導入しているケースがあります。ただし、通勤手当とテレワーク手当は法的に別のものです。出社日がある場合は通勤手当も支給すべきですので、「テレワーク手当を出すから通勤手当はなし」という運用には注意が必要です。
Q. 在宅勤務で水道代やガス代も増えるが、会社に請求できる?
電気代と同様に、水道代やガス代も法的な会社負担義務はありません。ただし、テレワーク手当を定額支給している企業では、光熱費全般を含む形で月額を設定していることが多いです。個別に精算する場合は、電気代と同じく按分計算が必要になります。
まとめ
在宅勤務の電気代は月3,000〜5,000円程度増加し、年間では約48,000円の負担になります。法律上の会社負担義務はありませんが、テレワーク手当を導入する企業は増えており、相場は月額3,000〜5,000円です。
手当がない場合は、実際の増加額を数字で示して会社に提案してみましょう。同時に、電力プランの見直しやエアコンの使い方の工夫など、自分でできる節約術も取り入れると効果的です。
参考:マネーフォワード|在宅勤務手当とは / エネチェンジ|テレワークの電気代 / 厚生労働省|テレワークガイドライン
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